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ウメと美しい日本語

ウメ

ほんのりと甘く季節の移ろいを漂わせる


中国原産。初めて輸入された烏梅(ウバイ:中国語読みでウーメイ)の名が短縮化されて「ウメ」となったという説や、「熟(う)む実(み)」が「ウメ」となったとも言われている。初春の花、初夏の果実は風物としては欠かせない存在。花に香りがあり、まだ春浅く冷たい空気の中に、ほんのりと甘く季節の移ろいを漂わせる。果実は干す・煮る・漬ける等して食用とされる。生の果実には未熟・完熟に係わらず、種を中心に若干の青酸系毒素が含まれているが、加熱・漬込み等の加工過程で無毒化する。生食してもよほど過敏な体質か、種を噛み砕いたのでもなければ、ひとつふたつ程度ではどうという程ではない。 サクラの花が終わる様子を「ちる」と言うが、ウメは「こぼれる」と当てる。サクラは一気に咲いて一気に終わるので、花がどっと風に流されていく様子を「ちる」と表し、ウメはサクラほどには花数をつけず、徐々に花を散らすので「こぼれる」と表現されたものと思われる。ちなみに、ツバキは「おちる」、ボタンは「くずれる」が使われる。花が終わるという、ただそれだけの事に、これほどまで感傷に浸った言語を持つ民族は少ない。もっとも、持っているだけで使わなければ何の意味もないのだが…。
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