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ボタンとシャクヤク

牡丹

根の部分が漢方薬として珍重


「立てば芍薬 座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
 和服姿の美人を表す比喩。ボタンは、原産地中国では花海棠と並び最も人気のある花です。シャクヤクと同じ属。ボタンが2m程になる落葉低木で横方向へ枝を広げるのに対し、シャクヤクは草本で上方へすらりと伸びる性質から、正座姿をボタン、立ち姿をシャクヤクに喩えたのでしょう。
 種から育てると非常に時間が掛かるため、シャクヤクを台木にして接木で増やします。
 花言葉は「王者の風格」「富貴」。花の王ボタンと百獣の王獅子の図柄は豪華で相性の良い組合せとされています。猪の肉を「ボタン」と呼ぶのは、皿にきれいに盛り付けた様子がボタンの花のように見えるためという説が有力ですが、「イノシシ」→「シシ」と掛けて獅子と愛称のいい「ボタン」と呼ぶとする説もあります。肉を花の名前に例える例は多く、花札に紅葉と一緒に描かれる鹿の肉は「モミジ」、桜色をした馬肉は「サクラ」と呼ばれます。
 餡子でくるんだお餅を「ぼたもち(牡丹餅)」と呼びますが、おはぎ(萩)との違いが何か、お分かりになりますか?春のお彼岸の頃、つまりボタンの咲く頃に作られるのがぼたもち、秋のお彼岸、ハギの花の頃のものがおはぎだと言われています。
 夏の風物詩、怪談。日本三大怪談と呼ばれるのが「四谷怪談」「番町皿屋敷」そして「怪談牡丹燈籠」。美しいボタンの花の描かれた提燈を持ち、毎夜通ってくる美女は、実はこの世の者ではなかった、という物語。この話の元となった怪談も、花同様中国から入ってきたものです。
 「怪談牡丹燈籠」は心臓に悪いお話ですが、ボタンは体に良い植物で、シャクヤクとともに、根の部分が漢方薬として珍重されます。
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