不思議な出来事2

大学生のころ、キャンパスを歩いていたら知らない人に声を掛けられました。

「よぉ、あの件どうなってる?」

私の背後に友達でもいるのかなと思い、歩を進めようとすると、おーい! と再び声が。ピンポイントにこちらに向けられています。

振り返ると、友達でも顔見知りでもない男の子が手を振っていました。この人誰だろう、と思っていると、相手も気まずそうな雰囲気に。直後「うわー、すいません。人違いでした」というオチがつくのですが、その後も知らない人にたびたび呼び止められました。

仲良しグループらしき四人が、一斉に手を振ってきたこともあります。
たいてい背後か横を通り過ぎた際に挨拶をされます。私が正面を向いたとき、相手も人違いに気付くのですが、それまでにも数秒間があります。

アイツだと思うけど、なんか違うな? という顔をするので、よほど自分に似ている人がキャンパスに存在しているらしい。
テレビ制作や音響を学ぶ学生が多くいる、放送学科の付近で人違いが多発していたので、自分に似ている人は放送学科にいるらしいことが分かりました。

「そんなに似ている人がいるんですか?」と尋ねると、

「めっちゃ似てる。すごい似てる」とのこと。引き会わせてくれる流れになったので、そのまま放送学科の人たちとその子がやって来るのを待っていたのですが、講義が入っていたらしく、ついぞ会えませんでした。

一度だけ、自分に似ているな、と思う人の後姿を見かけたことがあったのですが、声を掛けられずに卒業しました。

大好きな「ぼのぼの」という漫画で、主人公のラッコ・ぼのぼのも自分と似ている子に会いに行きます。たくさんの人の協力を経て、ぼのぼのと瓜二つのカワウソ・ポテ助くんに出会います。

ぼのぼのはポテ助くんに尋ねます。

「ポテ助くん、今、幸せ?」

ポテ助くんの返事は、幸せっていえば幸せなようなちょっとよくわかんない……みたいな微妙な返事だったように記憶しているのですが(そこが絶妙にリアルでいいです)、私に似ていた人は今、幸せでいるのでしょうか?

最後まで会えず、名前もわからず、本当に似ていたのかさえ今では確かめようがないのですが、TVやラジオ業界でブイブイ言わせているやり手のプロデューサーになっていてほしいです。

その節は面白い体験をありがとうございました。

※写真は福岡市動植物園のコツメカワウソです。かわいい!

情報管理部 Y.I