エイトの社員研修はなぜか歴史的な大事件と重なっている

エイトの知覧研修のため、 12月17日朝、社長以下40名の社員が、
羽田空港から鹿児島へ向け搭乗手続を始めていたころ、
北朝鮮の金正日総書記が心筋梗塞で急死されていた。

この重大ニュースは死去から51時間後の発表で分かったことであるが、
なぜかエイトの社員研修は、昨年に続き、歴史的な大事件と重なる結果に、
社長の深い思いを感ぜざるを得ない。

 研修旅行は毎年、実施日の2カ月前に決定され、
昨年は12月10日から3日の予定で韓国の軍事境界線にある板門店を見学した。

しかし旅行の2週間程前の、11月23日、午後2時34分、
北朝鮮側から韓国の延平島に向け150発もの砲弾が撃ち込まれ、
80発が島に着弾、民間人を含む死者が出るという大事件が発生した。
その後両国間に緊張が走り、板門店に見学者の立ち入りが認められたのは
実施日の4,5日前だったと思う。

 一人一人誓約書を書かされた時の緊張は、いまも忘れることは出来ない。
 今回の知覧研修は[気付き]をテーマにしたものであるが、
集団生活の経験のない若い社員にとっては驚くほど厳しい内容だったかも知れない。
夕食の配膳、時間を有効に活用しないと入浴さえできない環境、
冷たい水しか出ない朝の洗顔、スリッパの揃え方、早朝6時30分開始の現地実査、
見学ポイントを異動するごとの点呼などは、社員にとっては
初めての体験だったと思う。

 若い社員の動きをみていると、かつて18歳で警察官を拝名した
青春時代を思い出さずにはいられなかった。

 入校した警察学校は今、武道館が立っている北の丸公園の中にあり、
旧近衛師団隊舎を使用した建物は板目から月灯りが見えるほど朽ちており、
寝室とされる部屋と言えば、コンクリートが張った廊下の両側に、
8人用の畳があるのみで仕切りさえなく、桜の時期なのに
あまりの寒さで夜中に目を覚ますこともしばしばだった。
風呂時間が10分と指定されていたほか、起床、清掃、洗顔、
食事などすべてに時間指定があり、場所の異動は駆け足だった。

今回の研修は、社長から示される[社員を幸せにするため]のさまざまな方針に対し、
社員として[自分はいま何をなすできか]を悟る最高の研修だった思う。

 金正日総書記死亡という歴史的な重大な日と、
知覧研修が図らずも重なったという事は、この研修の意味するところを
忘れないでほしいという社長の思いがどこかで結び付いたものと思えてならない。

社員研修にことのほか力を入れてくれる社長に感謝したい。

監査役 千葉 久公