カンボジア研修の2日目。
幼稚園の贈呈式に向かうバスの中で、支援先であるスクールエイドジャパンの活動について学びました。公益財団法人スクールエイドジャパン(=SAJ)は、ワタミグループが開発途上国の子どもたちために作った団体です。企業からのお金は、SAJを経由しますが、経費は引かれず、1円残らず現地に届くように仕組化されています。バスの中でお聞きした話には、ご苦労がたくさんありました。学校という箱を作っても、親が貧しくて、制服、文房具が買えない家庭がある。また子どもは家庭の大事な労働力なので、行かせてもらえない家もある。そのため、貧しい家にはふれあいサポートとして、米を毎月10キロ渡し、子どもたちを学校に通わせられるように支援しているとのこと。それでも来られない子どもたちがいるので、朝給食という制度を作り、1万人の子どもたちに提供しているそうです。
さらに親がいない、生活が成り立たない家庭の子どもたちのために、孤児院を設立。15ヘクタールもの農場を運営し、完全循環型の農業理想郷を構築されたそうです。そこでレモングラスを育て、抽出したエッセンシャルオイルで石けんを作り、120万人の中国人に買ってもらえるようにして、得たお金を運営費に充当されているとか。カンボジアの土地はやせていて、植物が育ちにくく、レモングラスが収穫できるまでに何年もかかったとおっしゃっていました。
今回、私たちは寄贈させていただいた幼稚園の校舎の贈呈式に参列させていただきました。カンボジア政府の農林開発省大臣、州副知事、小学校、中学校の先生、生徒、父兄の方々、総勢600名を超える方々が校庭で出迎えてくださいました。盛大な式典の間、幼稚園の外観や教室の風景、子どもたちの写真を撮りに行くと、小さい子どもたちが集まって笑顔を振りまいてくれました。
贈呈式の後に行った「夢追う子どもたちの家」Yume Schoolでも、子どもたちはとても元気で明るかった! 言葉が通じなくても、カメラを向けるとニコニコ、ピースサインをしてくれる。元気いっぱいで無邪気な様子は、国が違っても変わらないと思いました。式典の中でも「先生になりたい」「医者になりたい」という夢を持った子どもたちがたくさん。いつの日か、この学校を卒業したカンボジアの子どもたちと、一緒に仕事できる日が来るかもしれませんね。幼稚園ができたことで、そのまま高校まで通える子たちが増え、国も暮らす人々の心も豊かになり、子どもたちに明るい未来が訪れることを切に願います。
いつかやりたいと思っていた社会貢献やボランティア。自分が働いている会社を通して、こうしたボランティア経験を積むことができるのは、本当にありがたいことです。そしてその集大成を社員研修で見つめることができ、とてもうれしく思いました。貴重な機会をいただきましたことに感謝いたします。
情報管理部 西岡 恭子