60歳で捨てられる!? 姨捨にて思うこと

私はバイクが好きで、そこそこ大きな排気量のマシンに乗っているのですが、バイク旅と同等に、鉄道の旅も大好きです。

何より、鉄道だと、旅の最中にお酒が飲めますからね(笑)。バイク旅は肉体的にも精神的にもストイックなものになりがちです……。

というわけで、先日の休みに訪れたのが、長野県。

現在、私が住む大阪からだとかなり遠方な感じがします。実際は、名古屋まで新幹線で出て、「特急しなの」に乗れば、わりあい近いのですけどね。

で、今回訪れたのが、長野県千曲市の「姨捨(おばすて)駅」。

松本駅から篠ノ井線、各駅列車で40分ほどのところです。長野駅と松本駅の中間くらいですね。(写真2挿入)

旅の目的は、名所旧跡の観光ではなく、列車からの「車窓」を見ること。

この「姨捨駅」近辺から見える車窓は、「日本三大車窓」の一つにあげられるほど素晴らしいものなのです。

まずは、写真をご覧ください。(写真3挿入)

2000m級の高山に囲まれた、善光寺平と呼ばれる盆地の景色。長野市内や千曲川の流れ、そして、武田信玄と上杉謙信が激突した川中島をものぞむ、雄大な風景がひろがります。

日本三大車窓というのは、姨捨駅周辺のほかに、北海道の根室本線「旧狩勝峠」、宮崎県・熊本県肥薩線の「矢岳」があります。

ちなみに、旧狩勝峠は1966年に廃線となり、現在、列車の窓から見ることができません。

話を姨捨に戻しますが、この辺りは、その名の通り「姨捨山」の伝承が残る地域。

その内容は、「むかしむかし、年寄りの大嫌いなお殿様がいて、60歳になった老人は山に捨てて来るよう、信濃の国中にお触れを出した、云々……」というもの。

結局、捨てられたはずの老人が、その年の功による知恵で国の危機を救うこととなり、殿様は大いに反省した……めでたし、めでたし、というオチになります。

小説や映画で知られる「楢山節考」の元ネタですが、小説・映画とは違い、若干ソフトな印象です。

ただ、このお話で、私が衝撃を受けたのは、「60歳になった老人」というフレーズ。

やはり、昔は60歳ともなると、お年寄り扱いされたのですね。

今の時代、60歳なんて現役も現役。姨捨駅からの雄大な風景をながめつつ、60歳はおろか、70、80歳になっても現役でいられるよう頑張ろうと誓った次第。

そんな気持ちにさせてくれた、姨捨の伝承に感謝です。

建物総合事業部・大阪支店 志方正紀