今年も衣替えの季節が来た、エイトに入社して早5年と半年がたち延べ12回目の衣替えです。
毎回この作業を行っているとき思い悩み、結局また防虫剤とともにクローゼットの中に吊るしたまま保管しているのが夏物・冬物のスーツです。
私は、コピー用紙裏紙のA4のメモ用紙には実行しなければならない長期的事項、A4の半分のメモ用紙には今日しなければならないことを書き、完了すれば赤線を引き更新後のメモ用紙から削除しておりますが「スーツ処分」の文言はエイト入社以来消えたことのない事項です。
前職では夏冬問わずスーツの上着とズボンを毎日のように着用し、朝の「めざましテレビ「今日の占い」」に一喜一憂しながら仕事向かう、私にとってスーツはいわば戦闘服のようなものであったと思います。
衣替えは、4月には夏物・9月には冬物となるよう行っておりました。
4月、9月の中頃にはクリーニングから仕上がったスーツを受け取り、スーツの箱にきれいに納め防虫剤を入れて押入れの天袋にしまうことが約35年間の習慣でした。
スーツ自体は幾度となく代替わりはいたしましたが、紺系とグレー系の2種類を準備しており、紺系は事務・打ち合わせ用、グレー系は現場に出向く時用と使い分けておりました。
紺系は、新入社員の時からの必須の色で、「知的」「真面目」「信頼感」等の印象を与える色と聞きおよんでいます。
また、グレー系の濃い色については、「品格」「落ち着き」、グレー系の白っぽい色は「冷静」「慎重」をイメージする色とも言われています。
しかし私自身の欠落した部分をスーツの色で補うつもりで使い分けていたのではなく、ただ単に、紺系は汚れがついてもあまり目立たなく生地がテカってくるまで気になることがない、グレー系は現場でほこりが付着した場合でも少しはたくだけであまり目立たなくなるとの、合理的(無精?)理由での選択でした。
特にグレー系の上着にはお世話になっており、現場では同行のお客様の荷物や上着置き場に敷くための風呂敷代わりにも度々なっていただいておりました。
前職でのスーツたちは私にとっては普段着であり、また酩酊状態で帰宅したときはパジャマの替わりもしてくれた、共に戦い・現在の生活を築き上げてくれたパートナーでした。
エイトに入社してからスーツたちは、エイトの面接、経営計画発表会の計3回、証明写真撮影時の3回と通算6回の出番があったのみで、毎年行っていた衣替え時での私からの感謝を受けぬまま、夏物・冬物も一緒にクローゼットで吊るされ季節の移り変わりもわからぬまま過ごさせてしまいました。
そのため5年と半年を迎え酷使し続けていたスーツたちに、感謝を伝え勇退をしていただくためお別れ会を行うこととしました。


一着ずつたたんでいると、白っぽい夏物スーツには「かけはぎ」の跡があります。
おろしたてのとき、現場の鋼材に引っ掛け修理してもらうため「かけはぎ」に出し、非常に高額な費用がかかったことを思い出します。
それぞれに深い思い出があるわけではありませんが、どのお店でいただいたか、試着してどう思って選んだか等は覚えております。
前会社生活で苦楽を共にしたスーツたちに感謝をこめ、Yシャツ・前職での作業服を副葬品とし神戸市指定45Lの袋に納めお別れです!
ありがとうございました。スーツたち!!
建物総合事業本部 大阪支店 田中 裕士