『城の崎にて』

冬場に新鮮なカニを求めて兵庫県の北、日本海に近い城崎を訪れたことがあります。大阪から比較的近いこともあり、過去に何度か行きました。好物のカニをお腹一杯食し、温泉にゆったりとつかって帰路につく、いわば1泊2日の安近短旅行です。

大正時代、かの文豪・志賀直哉が東京で山手線にはねられ、湯治のため城崎にやって来て体験した事柄から生と死を見つめる代表作「城の崎にて」はあまりにも有名。

その日は予定よりも早く着いたので、メインストリートから少し細い道を入ったところにひっそりと佇む「城崎文芸館」を初めて訪問しました。

ゆかりのある作家たちの城崎との関りを本や書簡を通して紹介しています。ゆっくりと流れる時間に身を浸し展示物を見ていると、あっという間に1時間が過ぎていました。

夜の帳が下り、大谷川沿いの柳並木の石畳を旅館の浴衣に丹前をひっかけ下駄を鳴らしながら歩いていると、さながら大正時代にタイムスリップした感覚に襲われ、まるで自分が白樺派の文豪のような錯覚におちいり、宿に帰ると小さな古めかしい座卓に頬杖などつきながら右手に万年筆を握り、原稿用紙を前に思索にふけってみようか・・・ってな、単純な私はもう「城崎文芸館」と城崎温泉の魅力にどっぷりはまってしまいました。

城崎に温泉と文学という新しいコンセプトを提示していただいた豊岡市の関係セクションに感謝いたします。

建物総合事業本部 大阪支店 Y,M