花よりスーパー?

母親を病院へ付き添った帰り道、車の窓からお花見をしました。

昨年は公園沿いの比較的車の通行量が多い道路沿いにしばし車を停めての鑑賞だったので、落ち着いて母と桜を眺めたのは今年が初めてです。近所のスーパーの比較的交通量の少ない沿道の桜が実に奇麗でその艶やかさに圧倒されました。実は市の福祉課で車椅子を借りてゆっくり歩きながら桜満開の公園へ行く計画だったのですが、どうしても心配性の母親はトイレが気になるということで、今年も仕方なく車窓からのお花見となりました。

ところが、母親は桜よりも近年開店した評判のスーパーの方が気になるらしく、スーパーの入り口や外観をしきりに見ていました。

このスーパーがオープンして間もなしに、かろうじて杖を頼りに外をまだ歩行できていたころ、1回だけ連れてきてあげたことがありました。中には入らず、入口の風除室スペースにいた母親は開閉する自動ドアの向こうを見ながら広々とした店内とその清潔さに感心していたのを思い出しました。

毎朝、朝刊に折り込まれているチラシ、中でも特にスーパーのチラシを見るのが好きな母。

多分、自由に歩き回り近隣のスーパーへもあしげく通い楽しくお買い物をしていた懐かしい頃を思い出し、チラシを見てはお買い物に行った気分に浸っているのではないかと思います。

齢91歳。一人では歩くこともままならない母親。年々弱ってゆく母ですが、私たち兄弟を産み育ててくれた恩はずっと忘れることはありません。どうか、いつまでも元気でいてください。

                        建物総合事業本部 大阪支店 Y.M