もあい

沖縄には「もあい(模合)」という独自の助け合いの仕組みがあります。数人の仲間が定期的に集まり、決まった金額を出し合い、毎回そのうちの一人がそのお金を受け取るという風習です。

沖縄で生まれ育った私にとって、「もあい(模合)」は特別なものではなく、ごく自然な習慣でした。仲間と定期的に集まり、一定の金額を出し合い、順番に受け取る――それだけ聞くと単なるお金のやり取りのように思われるかもしれません。でも実際は、それ以上の価値が詰まっています。

母によると、もあいは互いを思いやり、支え合うための仕組みです。お金だけでなく、時間や気持ちを共有する場でもあります。結婚式や入院費用、子どもの進学費用、急な出費への備えなど、必要なタイミングでお金を受け取り、人生の節目にとても役立っていたそうです。

ただ毎月友人と集まるための口実で私は参加していますが、もあいという仕組みそのものが「信頼」で成り立つものだと思います。昔から変わらぬ信頼できる友人がいることに感謝をし、これからも大切にしていきたいと思います。

米軍・海外事業部 N.T