感謝感激の御在所ロープウェイ

基本的にバイクで旅行することが多いのですが、鉄道やバス旅行も大好きです。特に冬場のバイク旅はキツイ……。

ならば、普段バイクで行く場所を、公共交通機関で訪ねてみようと思い、やってきたのが三重県菰野町の「御在所岳」。

三重県と滋賀県の県境をほぼ南北に、約55㎞にわたって連なる鈴鹿山脈の主峰の一つで、標高は1212m。古来、鈴鹿山脈は東西交通の妨げとなってきましたが、北に不破関、南に鈴鹿関が設置され、難所だからこそ、古くから交通の要衝としてこの地は栄えてきました。

現在は、御在所岳に面して国道477号が東西を貫き、「鈴鹿スカイライン」として、バイクや車好きに親しまれています。私も何度走ったかわからないのですが、その都度、はるか上空に張られた鋼索(ワイヤーロープ)を目にします。

「御在所ロープウェイ」のケーブルなのですが、いつか乗ってみたいと思いつつ、今まで果たせませんでした。というか、峠道を走り抜けるのに夢中で、道路に面したロープウェイ乗り場で停まることを忘れてしまう……(苦笑)。なので今回は、電車とバスを乗り継いで、ロープウェイ乗り場にやってきました。

全長2661m、高低差約780m。山麓から山頂公園駅までを約12分で繋ぐ「御在所ロープウェイ」。さらに山頂まで観光リフトが続いており、こちらは約8分間の空の旅です。

窓から見下ろす景色は勇壮そのもの。普段バイクで走っている鈴鹿スカイラインも見渡せ、私の脚力では到底登れないであろう山頂まで、ほぼ機械の力で到達できるという利便性! 険しい山々にケーブルを張りめぐらせ、観光スポットとして整備してくれた方々の努力には、素直に頭を垂れるほかありませんね。

神奈川県の「箱根ロープウェイ」しかり、和歌山県の「高野山電気鉄道」しかり、こんな難所によくぞ作ったものだと感心する公共交通機関は数多ありますが、建設に尽力した人々の労苦と熱意を思うと、感謝の念がしみじみと湧き上がってきます。

建物総合事業本部 志方 正紀