バイク旅が趣味なのですが、基本的に大まかな地域だけを決めて、旅程や道順などは思うがまま……というのが私のツーリングのスタイル。
今回は、そんなバイク旅で印象に残った「海」の景色を振り返ろうと思います。
まずは三重県熊野市の「二木島湾」。

紀伊山脈が熊野灘に突き出してできたリアス式海岸です。美しい半島の姿もさることながら、マダイやマグロの養殖でも知られており、そのさまが一望できてとても興味深いです。
お次は、兵庫県北部の美方郡にある「余部橋梁」から見た余部湾の風景。

京都北部~兵庫北部~鳥取あたりまで続く日本海沿いの風景は、リアス式海岸の起伏に富んだ美しい自然はもちろんのこと、海と傾斜地に挟まれたわずかな土地に、民家や舟屋が立ち並ぶさまを見ていると、そこに暮らす方々の息遣いが感じられるようで、とても心を惹かれます。
続いては、近畿圏を離れて九州へ。しかも本土最南端の地。鹿児島県は大隅半島の「佐多岬」です。

フェリーで大阪港から北九州市の新門司港へ降り立ったのですが、到着した早朝こそ晴れていたものの、天気予報では九州北部は雨。雨雲を避けるべく、ひたすら南下し、ついには本土最南端にたどり着いてしまった次第。非常に疲れました(笑)。
最後は、和歌山県西牟婁郡にある、道の駅「すさみ」から見た太平洋。

もしかすると、私が一番好きな海の景色かもしれません。
海以外に何もない、この先、ニューギニア島やオーストラリア大陸まで海しかありません。もちろんそれらが見えるはずもなく、群青の海原がただただ広がっているさまには圧倒されます。
これらの風景は、どれも目的地として設定した場所ではなく、道すがら目に映ったものです。思いがけず、息を飲むような絶景に出会えることが、旅の良さだと思います。そのたびに、自然そのものへ畏敬、その美しさを維持するために尽力されている方々への感謝の思いが沸いてきます。
建物総合事業本部 志方 正紀