動物に感謝

先日、友人と共にふれあい牧場を訪れました。

山道をぐんぐん登ってたどり着いた高原は空気が澄んでいて、天気にも恵まれ市街地を一望することができました。崖とはいかずとも急な傾斜の草地では、ヤギが十数頭思い思いに過ごしています。

観光客が激減した奈良で鹿に餌をやり追い掛け回されたことはあったものの、幼少期以来牧場にいるような動物と触れ合う機会は少なかったように思います。腹を空かせた鹿に圧倒された記憶が新しかったからか、最初は無理に触ることもなかろうとただ立って景色と山羊を眺めていました。どの山羊も名札をしていて、毛色や角の大きさも様々です。飼育に携わる人は一目で見分けるのだろうなあと思っていると、一匹の山羊が私のもとへ歩いてきました。水分を含んでいるように見える山羊のお腹は横に大きく広がっていて、たぷたぷとそれが揺れるのを眺めていると、「ユメノ」と書かれた名札を首にかけたその山羊が私の目の前で腰を下ろしました。

許可をとるような気持ちで少しずつ触れると、思ったよりも山羊の毛はずっと硬く強い触り心地でした。実家の猫をマッサージするときの動きを思い返しながら、耳の付け根や頭蓋骨のあたりを指の関節でなぞったり、首の筋肉を揉んでみます。こちらへ顔を向けたユメノちゃんの目を見て、一文字型の山羊の瞳孔を不思議に眺めます。気持ちよさそうに目を閉じたりしているのを眺めながら、人間も動物も凝った筋肉をもみほぐされるのは気持ちよいのだなと得心するような気分でした。

結局ユメノちゃんが自ら腰を上げるまで、たっぷり5分はマッサージをさせてもらうことができました。実家の猫もそうですが、動物にマッサージをさせてもらうと、その動物が心を許し認めてくれたような気がしてしまいます。マッサージをしている間はこちらもとても癒され、牧場を去ってからもしばらくは撫でている最中に撮った動画を眺めて癒されていました。安らぐ時間を与えてくれる動物、長い時間撫でさせてくれた山羊のユメノちゃんと、山の上までドライブをして楽しい時間を共有してくれた素敵な友人に感謝です。

米軍・海外事業部 L.C.