大寒の頃

1年で1番寒い季節が来た。
朝日が昇る時間も遅く 春を待ちわびる頃だ。
明け方の寒気で 思い出すのは
遠い昔、私がホームセンターの店長をしていた頃の事です。
荷受はいつも朝の6時前でした。
真冬のこの季節
駐車場のゲートは硬く凍り付いてビクともしません。
5時半に店に着くと 先ずやかんに湯をわかします。
ゲートとシャッターに湯をかけてなんとか氷を溶かすと すでに
大型トラックが何台もゲート前に待っています。
配送の方たちと 大声を掛け合いながら荷を受け
早出の従業員が広いバックルームを走り回り
天井まで 荷を積み上げるころにはトラックの列も一段落。
出て行く運転手さん 店の皆も白い息を吐きながら いつも笑顔で。

駐車場の隅では、外売り場の商品を
トラックから降ろしている業者さんもいます。
パレットに載った園芸用土や肥料を
フォークリフトで受け取りにいくと
運んできた商品の上に
売り場に売れ残った土を積み上げてくれます。
30も40も・・。業者さんから白い湯気が立ち昇ります。

雪が降れば 開店前に広い駐車場を皆で雪かき。
肩に 降る雪を積もらせながら 駐車場に点在して動く赤い制服が
今も眼に浮かんでくるようです。
立ち止まると汗がぱりぱりと氷になりそうな寒気の中の思い出。
開店の時から 共に助け合ってきた仲間を今も忘れていません。
自分もキツイのに いつも他人を気遣ってくれた優しい人たちが
いたことを思い出すと元気になってきます。

不動産事業本部 課長 田中 一美