先日、夏季休暇を利用して伊豆大島へ行きました。
伊豆大島は、竹芝ターミナルからジェット船に乗り、2時間ほどで着くことのできる東京都の島です。島と言っても外周が43kmほどあり、人口も約7000人と比較的規模の大きな島です。椿油が島の名産品で、私達の身近にあるドラッグストアでもよく見かけるかの有名な椿油を生産する工場が大島にあります。椿油は、オレイン酸を多く含み保湿効果が高く、髪や体に使用するだけではなく、食用としても出回っており、お手頃な価格ではありませんが昔から日本でよく使用されている油の一つだそうです。
いったい椿のどこから、どうやって油を抽出するのだろうと疑問に思っていましたが、椿油絞り体験をとおして、生産過程を一から学ぶことができました。椿と言っても数百種類あると言われ、椿油のもととなるのはヤブツバキという品種になるそうです。椿の実が弾けて中の種が落ちる頃、収穫の時期を迎えます。まず、乾燥させた種を適度な大きさまですり潰すことから始まり、蒸してから圧力をかけ油を絞り出すという製法です。今では機械が十分に発達し電力に頼る部分が多々ありますが、それほどインフラが整っていなかった数十年前は、全て手作業だったと思うと大変手間のかかる貴重な油だったと容易に想像ができます。
このような私達の身近にあるものの製造過程を知ることで、生産に携わる人々の苦労やその歴史に触れることができ、大切さや尊さを学ぶきっかけになります。近年「大人の工場見学」というワードを聞いたり見たりする機会が増えました。いくつになっても自分の意思で自由に学べることができる世の中になったこと、恵まれている環境に感謝を忘れず日々を過ごしていきたいです。

米軍・海外事業部 N.T