ここ数年、週末には山梨県の山奥に通っております。
私の両親が週末はそちらで暮らしているためです。と言っても実家というわけではなく、両親が引退後、憧れの田舎暮らしを実践するため、少しの土地と小さな山小屋を建て、生活の半分をそちらで過ごしているのです。
20年ほど東京と山梨の二重生活をしている両親ですが、いよいよ後期高齢者にさしかかり、体も思ったように動かなくなり、力仕事がつらくなってきています。
特に父は1年ほど前、心筋梗塞を患い、めっきり体力が落ちてしまいました。
憧れの田舎の暮らしは、しかし肉体労働がそれなりに必要です。とんでもない勢いで伸びる草木の剪定や除草、小さいながらも畑仕事、薪の準備などなど。
写真は薪小屋の組み換えを行った直後のものです。薪割り(と言ってもマサカリをふるうようなものではなく、チェーンソーと丸ノコで間伐材や廃材を適当な長さに切るだけですが)した薪はただ積んでいるだけでは乾燥度合いが上下で違ってしまい、燃え方に差が出てしまうため、ときおり上下を入れ替えるように組み替える必要があるのです。
普段デスクワークの体には、これが結構きつい作業です。が、必要な作業でもあります。
しっかりと乾燥した薪を薪ストーブにくべれば、嫌なにおいの煙も少なく、しっかりと炭になり熾火を長く保ってくれます。
一日の労働を終え、薪ストーブに火を入れ、揺らめく炎を眺めながら体を休める時間は、とても心安らぐ時間です。両親のあこがれた田舎暮らしのだいご味は、そんなところにあるのかもしれません。
そんな山暮らしの体験をさせてくれる両親に感謝するとともに、両親の思いのこもったこの小さな山小屋を、大事にしていきたいと考えています。


管理本部 伊藤 博