姫路の立ち飲み中華「英洋軒」

 前職で まだ関東で勝手単身赴任(家族を神戸に返し 自分だけ関東に残って仕事をしていた)をしていた時に、仕事の関係で 姫路市内で4現場の工事に従事したことがあります。

姫路は、私の両親も育った土地で、私が子供の頃は 両親各々の多くの親戚がおり、よく家にお邪魔したこともある馴染み深い町です。

姫路の食べ物としては、私が子供の頃は、「あんだま」(あんこを生地で包み ドーナツのように油であげた饅頭)・「にくてん」(薄い生地のお好み焼きで、牛すじとこんにゃくを煮たもの(すじこん)とネギ あとジャガイモが入っている)・「鹿島神社のかしわもち」(普通のかしわもちです)がおいしかったと記憶があります。

私の父親は、姫路と言ったら「姫路おでん」(生姜しょうゆをつけて食べるおでん)・「姫路駅そば」(うどん出汁で食べる中華めん(大阪関西万博で出店している「まねき食品」のものです))とよく言っていましたが、子供の頃はいずれも好んでは食べませんでした。

姫路市内の仕事の時 現地調査・打ち合わせ等 電車で行く場合は、帰りに姫路駅前の「姫路おでん」と「ショーケースに並べられたおかず」があり お酒も飲める「一膳めしや」にほぼ毎回訪れることにしておりました。このお店に通うことで 昔父親が「姫路おでんはうまい」と言っていたことが理解できました。

 しかし姫路は、もう仕事で訪れることも無く、親戚も代替わりをして疎遠となっており、また自宅から1時間強の乗車時間がかかるため、用事がなければいかない場所となっておりました。

 

 ところが、エイトに入社させて頂き、「消防設備士 乙種4類」の資格試験を受験させていただくこととなった時、私の住まいは神戸市なのですが、兵庫県内とのくくりで試験会場が「姫路独協大学」との割り当てとなり、姫路に行くこととなりました。駅から試験会場まではバス20分との案内ですが、その道はいつも混んでおり、乗り換えを含めると 自宅までの帰路はゆうに2時間以上はかかるものと考えられます。

 

 そこで、試験後日帰りで帰るのも疲れるため、家内に、「試験のあと、姫路で飲まへん?」と誘うと、「行く!行く!」と即答で、以前に行っていた「一膳めしや」に行く計画を立てます。

 当日、やはり試験終了後 会場から姫路駅の待ち合わせ場所に向かうが、予想通り倍近い時間がかかり到着。早速「一膳めしや」に向かうが、あったはずの「一膳めしや」はなく、別の店舗に代わっておりました。

 そこで、ネットで「姫路おでん」と調べ しゃれた店に入ったのですが、おでんもおいしいし、魚もすべておいしのですが 少し違う? そこで 向かえの立ち飲み屋 に入ったのですが、安くて・何を食べてもおいしいのですが 少し違う? と感じ、「一膳めしや」がなくなったことが残念だと思いつつ、ホテルへの帰路についた時、若いアベックが透明の防風カーテンから出てくるなり、「むっちゃ おいしかった。」と話しているのが聞こえました。よく見ると「ぎょうざ」と看板に書いてある立ち飲みのお店でした。

 私共は、もうすでに2件の飲み屋さんを制覇し おなかがいっぱいで ぎょうざ は重すぎます。しかし、今日の少し違う? の思いを解消するには トライするしかありません。そこで 少しでもおなかをこなさなければならないと考え、姫路の繁華街を散策します。途中、山陽姫路駅の付近のうどん屋で ビール1本で のどの渇きを補い、準備万端! その ぎょうざ 屋 に立ち向かうことといたしました。

 

ぎょうざ 屋の屋号は「英洋軒」です。そこで、注文させて頂いたのは オムレツ と ぎょうざ2人前 です。

中華が主体なのですが、オムレツも有名らしく他のお客様の多くが注文されております。オムレツは卵3個を使用し念入りに撹拌し、バターを一片溶かし、絶妙な腕さばきで焼き上げます。また、ぎょうざは 小ぶりながら強烈なニンニク風味が餡に施され 絶妙な味となって非常に感動するものでした。他の料理も みな個性がありおいしそうなのですが、残念なことに おなかが限界となっており、今日のところは 料理2品 ビール2本で「これくらいに しといたら!!」、次回は万全な 腹具合で訪れようと決心し退店させて頂きました。

 それ以降、姫路には「英洋軒」あり との思いで、姫路を通過する際は 必ず途中下車をし 立ち寄らせて頂くようになってしまいました。

 また、家内は美術・染色・織物・服飾・建造物等を好み、姫路には「姫路市立美術館」「兵庫県立博物館」があり、興味のあるイベントの際は一人で出向いておりましたが、「英洋軒」のお陰で、それに私も同行するようになり、私は「にわかインテリ」となっております。

 つい先日も服飾・ファッションには興味はなかったのですが 姫路市立博物館での「高田賢三展」へ家内に同行することにしました。しかし「高田賢三展」では、意外な発見をしたのです。それは展示している衣装等の色使いが家内の現在の服装での色使いに似通っていることです。そこで家内に聞くと、ファッション業界を大きく変えたのは「高田賢三のデザイン」が世に出てからとのことらしい。私には良くわからないが 家内のファッションセンスの源がここにあったのかと、新たな発見もさせられました。

その後は 言うまでも無く「英洋軒」にて おいしい料理とお酒を頂きました。

「英洋軒様」姫路での お安く・おいしい料理の提供に感謝申し上げます。

お陰で私の文化的教養の育成にも貢献して頂いていることに御礼申し上げます。

またお伺いさせていただきたく思います。ありがとうございました。

(立ち飲みですが 安くて・おいしいです。皆様も機会があれば是非訪れていただきたいお店です。)

建物総合事業本部 大阪支店 田中 裕士