小出先生

小学校の4年から6年までの間、小出のぶ子先生が担任でした。
当時の私からしたらおばさん先生。
恰幅が良く、音大卒のアルトの貫禄のある声は迫力がありました。

いたずら盛りの男子が悪いことをした時に
白黒はっきりつける男気(?) のある先生は、
私の目にはとても格好よく映ったものです。

特に、大勢で一人を虐めることが大嫌いで、

「やるなら一対一でやれ!」

と、争いを止めるのではなく、
むしろケンカを奨励しているかのよう。

「男なら勝負するときは自分のフンドシで相撲を取れ!
大勢をけしかけて一人を虐めるなんぞ、男のすることじゃない!」

昨今、校内暴力等が問題になり、
どの先生も及び腰で保身に走りがちなのを感じると、
この小出先生の教育スタイルが、良いのか? 悪いのか? 
はたまた時代錯誤か?

ここで教育論をぶちかますつもりは毛頭ありません。

ただただ、先生の男気が格好よく、大好きでした。

小学校を卒業した後も小出先生に会いたくて
良く職員室に遊びに行きましたが、中二の時、
長野で幼稚園を営むお父様がお亡くなりになり、
その幼稚園を引き継ぐために退職されました。

なんとも寂しい出来事でした。

先生から最後に頂いた言葉は

「お母様を大事にするのよ。
貴方のお母様はとても立派な方ですよ」

でした。

毎年欠かさず年賀状を出して必ず返事を頂きましたが、
三年前に95歳で大往生なさり、もう年賀状も届かなくなりました。

~草食系男子~ などと言う言葉が聞かれる今日この頃。

世の男性諸君、女性の小出先生に負けていませんか?

米軍事業部 係長 Y. M.

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