長男夫婦の土地購入に関する話の続きです。
現地には車で向かいましたが、駅からの上り坂が気になります。
但し100%満足する土地なんてありませんから、本人が許容できるかどうかです。
現地に着く前に付近の住宅を見て回りますと、さすがに1種低住専の地域ですね、
結構な豪邸が幾つも見受けられました。
また、焼却場などの嫌悪施設も近隣になく、上空を見渡して高圧線も近くを通っていない
ことを確認しながら現地に着きました。

該当地の周りは開けた感じで、予想に反して傾斜もほとんどなくフラットで、盛土ではなく
切土の造成地だというのも分かりました。
元々は山林だったところを切り開いて畑として利用していたとのことで、地歴も問題なし。
東側隣地の林のような丘の上に立派な邸宅を構えているのが売主だと聞かされ、
高齢でもあり資産整理の一環として、当該土地の売却を決めたとのこと。
資金に困っての売却ではないから、そりゃ値引き交渉もわずかしか応じないはずなんだなと、
でも、造成までして完宅渡しで売却してくれるなんて、かなり良心的な方だと思いました。

隣地3261-2は遠方に住んでいる売主の妹さんが所有しているそうで、息子夫婦が購入
しようとしている土地3258-1の一部との間にある細長い土地3258-11は、
境界で揉めて分筆したわけでなく、売主が雨水の排水路として残してくれていることも分かり、
越境している北側の枝木は売主が責任をもって解消する、また地目の変更登記(現況の山林から
宅地に変更すること)も売主負担で行うとのことなので、懸念点や問題点は解消できました。
後日、手付け売買を行うことで双方合意し、重要事項説明書や契約書のドラフトが
長男にデータで送られてきましたが、本人は私にラインで転送してきて「任せた」とのこと笑。
契約当日に重要事項の説明を受けていても、法令上の制限などの専門用語が飛び交う場面は
私に委ねてしまっています。
我々のようなプロであれば不動産売買を何度も経験していることなので、当たり前のことだと
思いますが、長男のような素人が不動産売買をするなんて人生の内に1度か2度あるかどうか
ですから、建築や不動産の専門用語を並べられてもなかなか頭に入らないはずです。
それでも、不動産業者は宅建業法で決められていますから、難しい用語を使いながらも一緒懸命
説明をしないといけないところに矛盾を感じますし、素人の方にちゃんと伝わるようにするには、
どうすればよいのだろうかと、ふと思ってしまいます。
そうこうする内に契約が無事に終わり、息子から「ありがとう。お父さんが不動産に詳しくて
助かったわ。」と感謝してくれました。
男同士ですから普段の会話はそっけないものばかりですが、今回ばかりは今までの何倍も
長男と会話が増えましたし、何より長男夫婦の役に立てて良かった、不動産ビジネスを続けて
いて良かったとしみじみ感じました。
建物総合事業本部 大阪支店 中本 知邦